この記事
の監修者
シン・イストワール法律事務所代表
田原 聡泰 弁護士

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東京弁護士会所属
個人間の借金問題や、闇金問題、ホストの売掛問題、元恋人からの不当請求など違法な不当請求に対して10,000件以上の解決実績を持つ。お金を借りて困っている方、取り立てを受けて困っている方、通常の債務整理では対処できない問題の解決を得意としている。

キャバクラやクラブ、スナックなどの水商売、あるいはパパ活や風俗で、男性客からお金を受け取った後で、「お金を返せ」と言われトラブルに発展するケースは非常に多いです。
この記事では、そうした返済請求に対して本当にお金を返す必要があるのか、またトラブルを未然に防ぎ、対処するために必要な知識と行動についてわかりやすく解説します。
【業種別】水商売でお客からお金を受け取りトラブルになるケース
キャバクラやクラブで働く方の場合
男性客からチップやプレゼントを受け取ったり、同伴やアフターでご馳走になることは、キャバクラやクラブの仕事では珍しくありません。
中には生活費や学費、借金返済など、まとまった支援を受けることもあります。しかし、男性側が金銭提供によって好意や肉体関係を期待していた場合、期待が叶わないと「お金を返せ」と言い出すことがあります。
金額が高額であればあるほど、相手の感情がこじれやすくなるため、慎重な対応が必要です。
スナックのママや従業員の場合
スナックは会話を中心とした接客が主ですが、馴染みのお客さんとの距離が近くなりやすい環境でもあります。
チップや贈り物に加え、店の運転資金など高額な支援を受けるケースもあります。しかし、お金を渡す側が見返りを期待している場合、関係性が崩れると返済請求に発展する恐れがあります。
風俗店で働く方の場合
風俗店では、店内でのやりとりに加え、店外で個人的に会う関係になることもあります。その際、高額な金銭のやり取りや、個人情報を相手に知られてしまうリスクが高まり、トラブルに発展することがあります。
・店外のやりとりが規則違反で、違約金などが発生する可能性がある
・家族や友人に知られたくないという気持ちが弱みになる
このような事情がある中では、相手の不当な要求に抗えなくなってしまうこともあります。
パパ活をしている女性の場合
パパ活では、事前に条件を決めて会うことが一般的ですが、男性側が感情移入し、予定以上の金銭を渡すケースもあります。
そしてその好意や支援が報われないと感じた場合、「返してほしい」と言われトラブルに発展することがあります。
また、パパ活自体を周囲に知られたくないという弱みを握られ、無理な要求に発展する危険性もあります。
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水商売でお客からもらったお金は返す必要がない場合が多い
もらったお金は原則「贈与」に該当する
サービスの対価としてではなく、プレゼントや好意として渡されたお金は法律上「贈与」にあたります。
贈与は契約が成立していれば返済義務は生じません。
書面が無くても、実際に手渡されている時点で「履行済みの贈与」とみなされ、一方的に「気が変わった」として返還請求することはできません。
返済義務が生じるケースもある
一方、以下のような場合には返済義務が発生する可能性があります:
- 明確に「貸す」と伝えられ、借用書やLINEなどの証拠がある
- 自分から「借りたい」と申し出て、返す前提でお金を受け取った
こうした場合、贈与ではなく「消費貸借契約」とみなされることがあり、証拠次第では返済が必要です。
ただし、返済義務があるかどうかはケースバイケースであり、判断には法律の専門知識が必要になります。
「貸した」と主張する場合は相手が事実を証明する必要がある
お客が後から、「あげたのではなく貸した」と主張し、お金の返済を要求してくることもあります。
このような場合、請求する側が貸した事実を証拠で証明しない限り、請求は認められないのが法律上のルールです。本当に借りていなければ、貸し借りの証拠はないはずです。
したがって、女性側の対応としては、「もらったものは返せない」と答えればよいことになりますが、正面から伝えるとトラブルの火種になってしまいますので、弁護士などの代理人を通して通知することが望ましいです。
水商売のお客からの返済請求を放置するリスク
- 感情的になった相手から暴言や脅迫を受けるリスクがある
- ストーカー行為、SNSでの晒し行為、営業妨害などの嫌がらせに発展することも
- 写真や動画を使ったリベンジポルノや脅しに繋がるケースもある
特に重要なのは、裁判を起こされた場合
裁判では、貸し借りの事実を証明できなければ請求は認められません。
ただし、訴状が届いても無視した場合は「欠席判決」となり、相手の言い分を全て認めたとみなされる可能性があります。
そうなると、給料や銀行口座の差し押さえといった法的措置に進まれてしまう恐れもあります。
したがって、「どうせ証拠が無いから大丈夫」と放置するのは非常に危険です。
弁護士に相談した方がよいケース
- 相手がしつこく連絡してくる、または脅迫的な言動がある
- SNSやネットで個人情報を拡散されそうになっている
- 裁判を起こされた、または訴状が届いた
- 相手に借用書や送金履歴などの証拠があると言われている
- お互い感情的になっており話がまとまらない
このような場合には、自分で対応しようとすると、相手のペースに巻き込まれたり、不利な結果を招いてしまうリスクがあります。
また、自分自身が感情的になっていると、冷静な判断ができず、事態をさらに悪化させてしまうこともあります。
弁護士は法律的な視点から状況を整理し、最適な対応方針を提案してくれます。
話を聞いてもらうだけで精神的に楽になることも
話を聞いてもらうことで気持ちが整理され、精神的に楽になる方も多いです。弁護士には守秘義務があるので、相談内容を外部に漏らすことも無いため安心して詳細を話すことができます。
弁護士に相談するメリット
弁護士がお客と交渉してくれる
弁護士は依頼者の代理人として、相手とのやり取りの一切を引き受けてくれます。「今後は本人と直接連絡しないように」と正式に通知することで、相手からの連絡も止まります。
不当な請求を法的に止めることができる
弁護士からの指摘で、相手が返済請求を諦めるケースも多いです。
また、暴言や脅迫行為がある場合には、警察と連携し刑事告訴や保護命令などの法的対応も可能になります。
ネット拡散や写真流出に対して削除請求が可能
個人情報や写真・動画をネットに投稿された場合、弁護士を通じて削除請求や仮処分、損害賠償請求を行うことができます。SNSの運営会社も、弁護士からの申請であればスムーズに対応してくれる場合が多いため、自分で対応するより遥かに効果的です。
万が一の裁判にも対応できる
相手から訴えられた場合、弁護士に相談しておくことで、答弁書の作成や代理人としての出廷などの対応が可能になります。
裁判を無視して不利な判決が出るのを防ぎ、自分の権利をしっかりと主張できる体制を整えられます。
精神的な不安が大きい中でも、専門家が味方になってくれるという安心感は、非常に大きな支えとなるでしょう。
まとめ
水商売やパパ活などでお金をもらった後、突然「返せ」と言われて戸惑っている方は少なくありません。
しかし、多くのケースでは返す必要はなく、むしろ無理に応じてしまうことで、相手の要求がエスカレートするリスクもあります。
相手が感情的になっている場合や、脅迫・晒し・訴訟などの兆候が見られるときには、速やかに弁護士に相談することが大切です。困ったときはひとりで抱え込まず、弁護士にご相談の上、正しく対処していきましょう。
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