この記事では、弁護士や司法書士を介入させることで、本人への嫌がらせ、勤務先など周りに連絡などをされることなく闇金との関係を終わらせることが出来るのか？ということをまとめています。
今回、実際に日本全国から闇金の相談を受けている、3名の法律家の取材を参考にまとめています。
■この記事の取材に協力して頂いた専門家
今井亨 司法書士
東京司法書士会所属。グリフィン法務事務所の代表司法書士、闇金解決の実績多数。店舗を持たないSNS闇金から、先払い買取、対面闇金までほぼ全ての闇金に対応している。
室崎泰成 司法書士
大阪司法書士会所属。10年以上の闇金解決の実績がある。闇金に特化したアクティブ法務事務所の代表司法書士。0和解（1円も払わず解決）の交渉に強い。
正野嘉人弁護士
東京弁護士会所属。30年以上の闇金対策の実績を持ち、闇金だけではなくネット上の詐欺や、オレオレ詐欺の対策なども得意分野としている。
もくじ
Duelパートナー法律事務所の場合
闇金との間に弁護士が介入した後、嫌がらせや復讐はされませんか？
相手がいる話であるため、嫌がらせや復讐をされるケースが絶対にないとは言い切れませんが、当事務所が入ることで何もせずに手を引いていく業者の割合は７割前後です。
残りの業者も、１～３日で督促行為を止めることが多いです。
その対応が長引く可能性があるのはどの様な場合ですか？
弁護士が介入しても必ず嫌がらせを行ってくるヤミ金がごく一部存在しており、そういったヤミ金と関係を持つと即時解決が難しくなります。
他には、借りた元本を1円も返していなかったり、ヤミ金と口喧嘩などしていると即日での解決が難しくなることがあります。
グリフィン法務事務所の場合｜嫌がらせ対策と返金請求
闇金に返金請求をしつつ、嫌がらせへのリスク対策
「闇金に嫌がらせをさせず、闇金には出来れば支払いもしたくない」というのが相談者の本音だと思います。その様な中で、どの様に交渉を進めていますか？
基本的に「過払いがあった場合には、ただでは終わらせない」という姿勢で対応します。
既に闇金に10回ほど払っている場合、受け取った元金の10倍近くお金を払っていることになります。
ここで0和解（闇金に1円も払わず和解）を主張するだけでなく、過払い分をご依頼人へ返金する様に主張します。
闇金業者は口座のお金をすぐに移動してしまうので、回収の確率は高くありませんが、それでも返還請求をした中の1割程度は返金に成功している実績があります。
返金にならなくても、少なくとも0和解にはなります。
介入後に嫌がらせが発生する可能性はるのでしょうか？
可能性はゼロではありません。しかし状況に応じて適切に対応することでリスクを限りなくゼロに近づけることができています。
例えば、闇金だからと最初からお金を騙し取るつもりでお金を借りられている方も一定数居ます。
そうではなくても、受け取った元金を1度も返さずに「そちらには1円も返しませんよ」という交渉をすると、相手もそれなりに腹を括って闇金をやっている訳ですから、それなりの報復が想定されます。
なので、公務員の方など「電話が一本でも発生したら人生がおかしくなる」という方の場合は、受け取った元金だけは闇金に返す場合があります。
これだけでも、嫌がらせを受ける可能性が激減するからです。
仮に嫌がらせが発生した場合にはどの様に対応しますか？
こちらからも闇金に連絡を何度も入れ、取り立て行為を辞める様に警告します。
また、闇金の使う銀行口座の凍結、携帯電話の強制解約、地元警察と連携した対応を行い、必ず嫌がらせ、取り立て行為が止まるまで対応します。
受け取った元金以上にお金を渡すことは無いということで間違いないでしょうか？
例えば、2万円を受け取って、2万円は返してるのにまだ請求してくる場合や、元金は2万円なのに3万円を払えば和解という条件を提示してきた場合です。
その様な不当請求には当然応じません。
闇金側も経費だ人件費がという主張をしてくることがあるかもしれませんが、闇金側の勝手な主張なのできっぱりと拒否しています。
相談前、相談後にご依頼人の関係先に生じた嫌がらせにはどう対処していますか？
かなり重要なポイントです。
例えば、闇金から勤務先などに連絡をされている場合、多くの司法書士や弁護士事務所では対処法を教えるので自分で行う様に案内をしています。
当事務所では、対策をご案内するのはもちろん、本人が説明をしてもどうにもならない場合には、当事務所が直接電話でお話ししてご依頼人はあくまで騙された被害者であることをご理解いただきます。
ご依頼人の勤務されている会社の社長様や上司の方、親御様と直接お話ししています。
その他お客さんが安心できる様な取り組みはされてますか？
例えば、半年くらいすると同じ闇金業者から融資の連絡が来る場合がありますが、追加料金無しで対応しています。
闇金業者の中で、新人研修の一環として「このリストに電話をしてみる様に」と指示が出され融資の連絡が来るのです。
そこは永久保証でアフターフォローの対応をさせていただいています。
アクティブ法務事務所の場合｜0和解と闇金の危険度の仕分け
0和解を主張しながらも、嫌がらせをさせない
※0和解とは闇金に1円も返さずに交渉を終わらせる解決方針のことです。
アクティブ法務事務所では、0和解での解決率が9割近いですが、その様な交渉をしていて介入後に嫌がらせが発生する可能性は無いんですか？
嫌がらせが発生しない様に慎重に対応しており、またその影響を受けない様に対応しています。
闇金業者によって嫌がらせの悪質度は異なりますから、過去の対応履歴から闇金の特性を確認してご依頼人と相談しながら例え1円も返していない場合でも0和解にしてしまうことも良くあります。
そのリスクを最小限に抑えるため、当事務所では闇金業者ごとの特徴を事前に見極め、慎重に対応を行っています。その甲斐あって介入後に嫌がらせが発生することは全体の1割もありません。
アクティブ法務事務所ではどの様に交渉を進めていますか？
元金分は返している場合は当然ですが0和解で交渉します。
そして、1円も返していない場合でも私は0和解で交渉を進めます。
なぜかというと、「最初から〇〇さんの件で1万5千円返しますので、穏便にすませてくれませんか」という交渉をすると、いきなりこちらから返しますよという話をしているので、「じゃあいくら返すか」という土俵になってしまうためです。
最初から金額の話をすると不利になってしまうのですね
そうそう、こっちが不利になります。
だからこっちとしては、「大変で困っている方なのでゼロでお願いできませんか？」という0和解から交渉をはじめます。
そうすると、相手から「出した分の1万5千円返して」と言ってくるので、「じゃあそれで聞いてみますね」と言う風に持っていった方が交渉としてはスムーズです。
実際にこの方針で対応すると1円も払っていない状態でも0和解に落ち着くケースは多くなります。
0和解を主張していく中で嫌がらせが起こるリスクにはどう対処されてますか？
まず、最初に闇金の特長を私は見ます。
私が介入したあとで、例えば一度の連絡で解決したことがあるとか、過去にご依頼人にガンガン嫌がらせをしてくる業者なのであれば、それがどんな嫌がらせがあったのかも全てデータにとっているので、お客さんにそれを説明します。
返さない場合には、着信拒否や、お父様やお母様の携帯を着信拒否にしておけば問題の無い業者であればその事を説明した上で0和解で対応します。
「この業者は連絡が来るかも知れないけど対策しておけば問題の無い業者だから0和解で大丈夫です」と言う風に、嫌がらせのキツい業者とそうでない業者で分けていってお客さんと相談しながら対処していきます。
嫌がらせが実際に起こった場合はどうしていますか？
万が一、予想外の嫌がらせ行為が発生した場合でも、当事務所が継続して粘り強く交渉を続けます。
闇金業者に対して取り立て停止を求める対応を行い、追加料金なしで、解決に向けたサポートを継続しています。
闇金は法律家が介入すると多くが即時手を引く｜「意味がない」は嘘
闇金業者のほとんどが法律家が介入すると手を引くことを決めています。
例えば、Duelパートナー法律事務所では弁護士の介入後、7割程度の闇金業者が何もせずに手を引いていき、残りの業者は１～３日で解決しています。
闇金業者が「弁護士や司法書士に相談しても無駄だ」と被害者に伝えていますが、実際のところ「法律家に駆けこまれると闇金は顧客を1人確実に失ってしまう」こともあり、法律家には駆けこまれたくないと考えています。
※現在、Duelパートナー法律事務所は闇金対応業務を終了していますが、30年以上にわたって第一線で対応されてきた弁護士による貴重な実務経験として、今回参考資料として掲載しています。
闇金に強い法律家の各対応方針
■エストリーガルオフィス
他事務所で断られたどんな闇金でも対応。
穏便な解決を目指し、嫌がらせをさせず、完全に関係を断つことを優先する。
0和解での対応も可能だが、元金は支払う穏便な解決重視。
他の事務所では話も出来ない様な闇金でも交渉ができる。
一度電話して終わりではなく、最後まで対応する。＞＞エストリーガルオフィスの詳細
■イーライフ司法書士法人
- 支払義務が無効であることを主張
- 元金すら返済せず、嫌がらせも止めさせる
- 取引履歴の提示を要求することで違法性を突く
ごく一部の悪質な業者が、受任後も嫌がらせが継続されるが、
多くの業者が正式に受任を通知することで速やかに接触をやめる傾向がある。＞＞イーライフ司法書士法人の詳細
■ウイズユー司法書士事務所
基本的には闇金業者には払わないという方針で対応する。介入と同時に闇金が引いていくことが多い。一部の取り立てを辞めない業者については依頼人のメンタルケアをしながら対応していく。＞＞ウイズユー司法書士事務所の詳細
先払い買取は即時解決がほぼ10割
先払い買取の対応については、法律家が介入すると即時0和解（1円も返さず解決）で解決するケースがほとんどです。これは闇金弁護士110番に掲載しているどの事務所様でも同じです。理由としては「闇金であることを隠して営業しており、逮捕や面倒ごとを避けたい」とほとんどの先払い買取業者が考えているためです。
対応が長引く恐れのある、一部の業者について
全体のごく一部が手を引かない業者
ほとんどの闇金が闇金に強い法律家が介入すると共に何もせずに手を引いていく中、一部の業者が法律家の介入後もしつこく取り立てを続けます。その様な闇金と関わっていると介入後も嫌がらせが発生するリスクがあります。
その他、長引く要因
- 闇金業者に元本を1円も返していない
- 闇金と口喧嘩をして怒らせている など
闇金業者に元本を1円も返していなかったり、闇金と口喧嘩をして怒らせていると即時解決とならず少し長引く要因になるります。
その為、闇金から受け取ったお金だけを戻す、元金和解（がんきんわかい）を行うことで穏便に解決する対応を行うこともあります。
法律家の闇金のリスクに対する考え方
例えば、この記事の取材に協力していただいたアクティブ法務事務所では事前に過去の対応履歴から「その闇金がどれくらい嫌がらせを行うリスクがあるのか」を判断してから、その上で0和解（1円も払わない解決）を目指すのか、それとも1度でも電話をされては困るのなら元金和解で対応するのか。という方針を一緒に相談して決めているなど、「闇金の危険度とご依頼人のご負担」の両方を考えながら対応を進めています。↑アクティブ法務事務所の取材に戻る↑
グリフィン法務事務所もまた、返還請求をするという強い姿勢を貫きながらも、公務員の方など「一度でも電話をされては人生がおかしくなる」という依頼人には「元金和解」を提示することで、嫌がらせのリスクを限りなくゼロに近づけています。↑グリフィン法務事務所の取材に戻る↑
闇金業者が手を引いていく理由
そもそも闇金業者は逮捕されないことを第一に考えています。
個人が警察に闇金の相談をしても動いて貰えないことがほとんどですが、法律家を敵に回すことで警察が本格的に動く可能性が高まることもあり、闇金業者としては法律家が関わった時点で、依頼者から得るメリットよりもデメリットの方が大きくなることから取り立てを止めます。
闇金業者が恐れている罰則
- 高金利違反 ⇒５年以下の懲役、１千万円（法人の場合３千万円）以下の罰金(注)
- 無登録営業 ⇒５年以下の懲役、１千万円（法人の場合１億円）以下の罰金
金融庁のサイトより引用
注意！こんな弁護士には気を付けて！
- 一回電話しただけで、その後のフォローが十分にされていないケースがある
- ヤミ金が望む金額を払ったら連絡が来なくなるから払いなさいと言う所もある
せっかく弁護士に依頼したにも関わらず、上記の様な対応をされた方が、当サイトの法律家に相談を寄せてくることがあります。中には解決していないにも関わらず弁護士費用を請求されている場合もあります。
闇金問題を法律家に依頼する際には無料相談を使うなどでじっくりと「どこまで対応してもらえるのか？」「どの様に対応してもらえるのか？」を確認しておきましょう。
依頼者からどんな要望がありますか？
ヤミ金の被害者が取り立て、支払いの停止以外に望むことはありますか？
その要望に対して、正野弁護士はどの様に応えていますか？
「家族や会社に知られず事件を解決する」「他のヤミ金業者への個人情報流出回避」「事件解決までの手厚いフォロー」を望まれる方が多いです。
個人情報流出については関係者含めて一切の連絡、取り立てを停止させる警告と共に、知り得た個人情報の漏えいをさせない様に取り組んでいます。
尚、事件解決まではご不安点などに即時対応する体制となっております。
「周りに連絡されたくない」「情報をネットに晒されたり報復を受けたくない」と言う要望が多く、根底には「支払いせずに終わらせてほしい」というのが皆根底にあると思います。
闇金から周りに連絡される前に解決するには？
闇金被害者の多くが、「勤務先や家族などに連絡をされたくない」「嫌がらせを受けたくない」という恐怖感から業者に支払いを続けています。
実際に法律家への相談内容の中で、「周りに連絡をさせずに闇金との関係を終わらせたい」という要望が圧倒的に多いです。
そして、周りに連絡をさせずに闇金との関係を終わらせるために「闇金業者が周りに連絡をする前に法律家に介入してもらう」ことが重要です。
一部の厄介な闇金と関わってしまったらどうしたら良い？
法律家が介入すると闇金は「引き際」と判断して引いていく傾向があります。しかし、強引な0和解交渉などをしてしまうと周りへ連絡などする危険性のある業者も一部います。をその為、相談の時点で闇金業者の危険度を確認しておいて、最悪の場合、どのようにフォローしてもらえるのかをしっかり確認しておきましょう。
ご依頼人が闇金から会社（勤務先）へ取り立てを受けて社内での信用を損ねている場合、直接会社に対してフォローの電話を入れている司法書士事務所もあります。
フォロー電話をしている事務所
上記の事務所では、法務事務所から直接ご依頼人の勤務先やご家族へのフォロー電話の対応を必要に応じて行っています。
まとめ
- 弁護士や司法書士が介入すると闇金は何もせずに手を引いていく
- 一部の業者は手を引かないことがあるので事前に事務所へ聞いておくこと
- 闇金の間で「嫌な法律事務所」として評判が広まっているほど即日解決の確率は高まる
- 闇金から周りに連絡をされるのを防ぐには闇金が動く前に対処すること
今回、取材に応じて頂いたグリフィン法務事務所、アクティブ法務事務所では、当サイトから無料相談をお受けしています。
「闇金との関係を断ちたいが、言いなりになって払い続けてしまっている」「闇金へ申しこんでしまったかも知れない」など、闇金に関するお悩みがあれば無料相談だけでもご利用下さい。
最終的に依頼されるかどうかはご本人の判断になりますが、必ず解決の糸口が掴めるはずです。＞＞闇金に強い法律家の無料窓口一覧はこちら
闇金弁護士110番、運営会社の編集部がこの記事をまとめています。弁護士の先生や、司法書士の先生への取材を行った上で読者の方に役立つ、事実に基づいた情報の発信を心掛けます。